注意 : At-cut 3 倍波及び 5 倍波では、更に低い周波数も可能となっています。
切断方向と理論上の周波数温度特性曲線
AT カット( MHz )及びチューニングフォーク(32.768kHz) の温度特性曲線
並列容量 (C0) と直列容量 (C1) との比を容量比 ( γ ) と言います。
容量比 ( γ ) は、 負荷容量の変化によって引き起こされる周波数変化の大きさの指標となります。
水晶振動子単体の電気的インピーダンスが抵抗性となるとき、2 つの周波数があります。 低い方の周波数を直列共振周波数 fs、高い方の周波数を並列共振周波数 fpとよびます。
一定条件のもとで、水晶振動子が直列または並列に負荷容量を接続したとき、その電気的インピーダンスが抵抗性となる2つの周波数があります。直列に接続した場合は低い方、並列の場合は高い方が、負荷時共振周波数となります。
- Fundamental mode
水晶振動子の最も基本的な発振モード。その振動モードで最も低い周波数をいいます。 - Overtone mode
基本モードより、高い周波数で発振されるモードで、低いほうから順番に、 3 倍波。 5 倍波、 7 倍波、 9 倍波と続きます。 9 倍波以降、実際の量産はされていません。
- Frequency
周波数は、1秒間の振動する波の数で、単位はヘルツ(Hz)です。 - Equivalent Series Resistance(ESR)
直列共振周波数の等価抵抗 - Shunt capacitance(C0)
並列容量 (C0) は、水晶振動子の端子の容量です。パッケージによって異なりますが、通常は、 7.0pF 以下です。 - Motional capacitance(C1)
等価回路における並列容量 - Motional inductance (L1)
等価回路におけるインダクタンス - Equivalent Series Resistance(R1)
等価回路における抵抗 - Pullability
クリスタルが並列共振で発信している場合、周波数は並列共振クリスタルの負荷容CLの関数として変化します。並列容量、直列容量、そしてクリスタルのサイズに関与します。
- Load capacitance(CL)
水晶振動子の負荷時共振周波数(fL)は外部接続の静電容量に寄って決まり、水晶振動子の両端からみて回路側の容量を負荷容量という。 - Frequency tolerance
常温(25℃)での(公称周波数を基準として)最大に許容される周波数偏差です。 - Frequency stability
動作温度範囲内で25℃での測定周波数を基準として最大に許容される周波数偏差です。 - Quality Factor (Q)
水晶における Q 値とは、品質もしくは並列の共振をあらわします。水晶によって得られうる安定性の最大値は Q 値で表されます。 Q 値が高いほど、帯域はより小さく、リアクタンスの傾きは大きくなります。外部の回路のリアクタンスの値の変化は Q値が低い装置ほど Q 値の高いクリスタルに影響を与えることはありません。 L,C,R の共振回路における共振曲線のシャープさを表す量、回路の電流と電源の周波数の関係を表す曲線 - Spurious
主振動あるいは要求されるような周波数でない周波数が出現することがあります。それは水晶振動子特有のもので、最大 dB で明記されます。周波数の範囲は明記されなくてはなりません。 - Insulation Resistance
水晶振動子の端子間、およびリードとケース間の抵抗です。標準値は、500M Ω min//DC100V. です。 - Aging
エージング ( 経時変化 ) は水晶振動子において大変重要です。 適切な生産工程を踏まなければ、 1 年後ではなく、最初の一週間以内に最も高い経時変化率が現れます。使用周波数は、すぐに規格範囲を外れてしまいます。