水晶振動子には、直列共振周波数があります(FS:水晶振動子のインピーダンスは最小となります)
負荷容量(CL)が水晶振動子と直列に接続されている場合、水晶振動子の周波数はわずかに増加します。
この周波数は、並列共振または負荷時共振周波数(FL)と呼ばれます。
お客様は、水晶振動子をご注文するときに、負荷容量(CL)の値をご指定いただく必要があります。
一般的に、ICのデータシートに記載されている水晶振動子の仕様とCin/Coutに搭載するコンデンサー容量とは一致することを推奨します。
実際の回路基板上の水晶振動子の両端からのCin/Coutの負荷容量は、マッチングテスト確認により正確となります。
負荷容量が大きい場合、周波数調整での可変幅となるTS値は小さくなります。
回路基板搭載時でのコンデンサー容量による周波数変化は小さくなります。
負荷容量が小さい場合、周波数調整での可変幅となるTS値は大きくなります。
回路基板搭載時でのコンデンサー容量による周波数変化は大きくなります。
お客様でのご使用アプリケーションにおいて、負荷容量値を決定するためにTS値を大きくする必要があるか小さくする必要があるかを選択できます。
実際のマッチングテストの結果により、最適な外部コンデンサ容量を選択することが出来ます。
また、回路基板上での発振周波数を正確に確認出来ます。
更に、負性抵抗(-Rx)とドライブレベル(供給電力)を、マッチングテストにより確認でき、大量生産において発振状態が適切でない状況で引き起こされる様々な不具合を軽減できます。
負性抵抗とは、発振回路に搭載された水晶振動子の2つの両端子から見たときの発振周波数での振動回路のインピーダンス特性値を指します。
発振回路では、振動中の水晶振動子の物理的エネルギー損失を補うために十分な増幅ゲイン値を提供する必要があります。
負性抵抗は、水晶振動子自身の電気的特性ではありませんが、発振回路での重要なパラメーターです。
振動子側からみると、発振回路の「負(マイナス)の抵抗値」となります。
負性抵抗は、発振回路が安定した発振を維持できるかどうかの重要なパラメーターです。
そして、発振振幅の品質を判断するための指標となります。
振動振幅の負性抵抗が十分ではない場合、経時変化や、温度、電圧の変化により不発振に至る可能性があります。
a. ドライブ レベルが大きすぎると、回路 (または水晶振動子) の劣化が早くなり、消費電力が増加します。
b. 必要に応じて、水晶振動子の出力側に電流の制限をする抵抗値を追加できます。
a. 水晶振動子の両端からアース(GND)の間のコンデンサー(C1//C2)値を小さくする。
b.電流の制限抵抗Rd(水晶振動子の出力側で)の抵抗値を増加させる場合、回路全体の発振特性状態を考慮する必要があり、その値は1kΩを超えないようにします。
電流の制限抵抗Rdの抵抗値を増加、或いは、変更させたい場合、CPUで要求される最小のVpp値を確認する必要があります。
Vppが低すぎてCPUが稼働できない事を避けるため、お客様と対策を相談させていただきます。
各CPUメーカーでは水晶振動子の起動時間には独自の方針があり、一部のCPUにはシステム操作に準拠するために水晶振動子の起動時間が必要です。
水晶振動子のC0値を調整するか、外部静電容量を調整することにより、水晶振動子のスタートアップタイムを効果的に改善できます。
a. 外部接続の静電容量値が同じ場合、C0値が大きい水晶振動子の方が起動時間は短くなります。
b. 水晶振動子のC0値が同じ場合、外部接続の静電容量値が小さい方が起動時間は短くなります。